東日本大震災活動レポート
震災後1ヵ月間の地域医療振興協会の活動について報告します(平成23年4月11日現在)。
災害対策本部
活動日誌 3月14日(月)
災害対策会議が開かれ、協会運営施設に対して、救援物資の輸送依頼と応援部隊の募集が行われました。また、ヘリコプターが女川に着陸できるよう、国に対して要請。計画停電に対する関係施設の対応、および被災施設の被害状況が取りまとめられました。
活動日誌 3月15日(火)
海運ビル本部内に正式に災害対策本部を設置。3回の対策会議を開催しました。
公立黒川病院を拠点として女川町立病院の支援を行うことが確認され、今後の救援派遣を円滑に実施していく上での必要事項が決定されました。また、3月11日地震発生時、女川町立病院に滞在していた職員から3月14日現在の女川町立病院の状況の報告がありました。
活動日誌 3月16日(水)14時
災害対策会議において下記の事項が決定されました。
- 台東区立台東病院にある物資を順次輸送(陸路・大型ヘリを使用)
- 大型バス及びトラックの確保
- 簡易トイレの確保
- 暖房器具の確保(灯油、ストーブ)
- 職員の休憩所の確保
- トランシーバーの手配
- 腕章の準備
- 本部の連絡窓口の設置(Microsoft Office SharePoint Server)を利用し情報伝達
- 現状視察のため、理事クラスの派遣
- 派遣要領の制定
- 派遣チームの構成及び派遣期間
-A.急性期(18,21,24日)は、医師3名、看護介護10名、薬剤師1名、事務4名(女川2名、黒川2名)で3日間
-B.24日以降は医師3名、看護介護5名、薬剤師1名、事務4名(女川2名、黒川2名)で1週間 - 派遣職員必携品リスト(人数×3泊4日分)
トランシーバー、携帯ラジオ(グループで1つ)懐中電灯、寝袋、非常食、水、衣類、ほっかいろ、おむつ(大便用)
活動日誌 3月17日〜29日
救援派遣の編成、救援医師搬送支援、救援物資の輸送が実施されました。
活動日誌 4月11日(月)9:00
対策会議において5月連休以降の女川町立病院の支援体制について協議が行われました。
支援の状況
DMAT要請
3月12日、災害発生2日目8時26分、市立奈良病院(医師1名、看護師2名、診療放射線技師1名)がDMATとして奈良県の要請により出動しました。自衛隊機でいわて花巻空港へ、同日及び13日、いわて花巻空港でSCU活動及び域内搬送に従事しました。
救援派遣
1.第1次救援派遣(医師、看護師等のチーム)
3月13日、災害発生3日目7時、東京北社会保険病院6名(医師2名、看護師2名、事務職員2名)及び東京ベイ浦安市川医療センター6名(医師1名、他5名)の計12名が災害地へ出発しました。初日は国立仙台医療センターでER、2日目は各避難所を診療巡回して多数の被災者を救護。医師2名は女川へ。
2.第2次救援派遣(医師、看護師等のチーム)
3月15日、災害発生5日目8時または6時30分、医師3名、東京北社会保険病院4名(看護師2名、事務2名)がヘリコプター、または2台の車により女川町立病院等へ出発、ヘリコプターは大衡村経由で女川町立病院へ、15時、到着し、救援に入りました。
3.第3次救援派遣(看護、介護等のチーム)
3月16日、災害発生6日目6時、看護師、介護士、薬剤師及び事務の19名が4台の車で支援物資とともに女川町立病院(一部公立黒川病院)へ出発しました。
4.第4次救援派遣(医師、看護、介護等のチーム)
3月18日災害発生8日目6時および9時、医師、看護師、介護士、薬剤師及び事務の20名がヘリコプター2機とバスで支援物資とともに女川町立病院(一部公立黒川病院)へ出発しました。
5.第5次救援派遣(医師チーム)
3月20日、災害発生10日目9時、医師4名が、ヘリコプターにより女川町立病院等へ出発しました。
6.第6次救援派遣(医師、看護、介護等のチーム)
3月21日、災害発生11日目6時、医師、看護師、介護士、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、栄養士及び事務の26名がバスで支援物資とともに女川町立病院(一部公立黒川病院)へ出発しました。
7.第7次救援派遣(医師、看護、介護等のチーム)
3月24日、災害発生14日目6時、医師、看護師、介護士、薬剤師、臨床検査技師、栄養士及び事務の26名がヘリコプター及びバスで支援物資とともに女川町立病院(一部公立黒川病院)へ出発しました。
8.第8次救援派遣(医師、理学療法士、歯科衛生士等のチーム)
3月28日、災害発生18日目6時又は9時、医師、理学療法士、歯科衛生士の計10名がバスまたはヘリコプターにより女川町立病院へ出発しました。
9.第9次救援派遣(医師、看護師、介護士等のチーム)
3月31日、災害発生21日目6時、医師、看護師、介護士、薬剤師、栄養士、理学療法士、事務及び医学生の計24名がバスにより女川町立病院へ出発しました。
10.第10次救援派遣(医師チーム)
4月3日、災害発生24日目9時、2名のボランティア医師がヘリコプターにより女川町立病院へ出発しました。
11.第11次救援派遣(理学療法士チーム)
4月4日、災害発生25日目6時、理学療法士2名がバスにより女川町立病院へ出発しました。
12.第12次救援派遣(医師、看護師、介護士等のチーム)
4月7日、災害発生28日目6時または9時、医師、看護師、介護士、薬剤師、栄養士、理学療法士及び事務の計22名がバスまたはヘリコプターにより女川町立病院へ。
13.第13次救援派遣(医師、理学療法士、言語聴覚士等のチーム)
4月11日、災害発生32日目6時または9時、医師、理学療法士、言語聴覚士及び事務の計9名がバスまたはヘリコプターにより女川町立病院へ出発しました。
搬送支援
1.第1回救援医師搬送支援
3月20日(日)、自治医科大学卒業のボランティア医師6名をヘリコプターにより岩手県藤沢町及び釜石市に空輸しました。また、ボランティア医師4名を藤沢町から東京へ空輸しました。
2.第2回救援医師搬送支援
3月27日(日)、自治医科大学卒業のボランティア医師6名をヘリコプターにより岩手県藤沢町及び釜石市に空輸しました。
3.第3回救援医師搬送支援
4月3日(日)、3月27日に出発した5名の医師をヘリコプターにより、藤沢町または釜石市から自治医科大学グラウンドまたは東京へ空輸しました。
救援物資
集荷
3月14日、災害発生4日目、協会各施設に対して救援物資を台東区立台東病院へ輸送するよう依頼
輸送
1.ヘリコプター輸送
3月13日11:30、災害発生3日目、ヘリコプターで女川に向かうが物資を投下できず帰還。途中、白石に物資を運搬しました。
2.陸上輸送
- ア.白石の物資は第1次救援派遣医師が女川町立病院へ輸送
- イ.第2次、第3次、第4次救援派遣チームが女川町立病院へ輸送
- ウ.公立黒川病院へ輸送(3月15日)
- エ.村立東海病院へ輸送(3月15日)
- オ.磐梯町保健医療福祉センターへ輸送(3月15日)
日本透析医会災害時情報ネットワークへの登録
東京北社会保険病院が下記情報を登録。
透析の可否: | 透析可 |
被災の有無: | 被災無し |
透析受入可能 | 10人 |
被災地の透析患者の受け入れ要請が当該ネットワークを通じてあり、3月17日(金)より受入を開始。3月19日現在、8名の透析患者の外来透析を施行しました。
計画停電への対応
3月13日、政府が3月14日からの東京電力の計画停電を発表。輪番停電時の在宅機器使用患者への緊急相談対応病院へ登録しました。