公益社団法人地域医療振興協会は、地域医療を支援し、それによって地域の振興を図ることを目的に設立されました。
日本全国の地域、そこに住む人々、そして医療に携わる医療人の三者が幸せになれる未来を作っていくため、地域医療振興協会は活動を行っています。
地域医療振興協会が目指すもの
地域医療についての考え方は様々でありますが、私たちの考える地域医療の定義は次の通りです。
『医療人、住民と行政が三位一体になって、担当する地域の限られた医療資源を最大限有効に活用し、継続的に包括的な医療を計画・実践・評価するプロセス』
医療に困っている地域を支援する
医師不足が、今、わが国の医療において大きな社会問題となっています。最近では山間・離島といったいわゆる「へき地」だけでなく、地域中核病院においても医師不足が指摘されています。そのため、地域医療の確保が厳しいという地方自治体が少なくありません。
地域医療振興協会では、「いついかなる時でも医療を受けられる安心を、すべての地域の方々にお届けしたい」という信念のもと、自治体からの委託等を受けて病院、診療所および保健医療福祉複合施設の運営を行っています。
また、医師が不足している地域の医療機関に対して、勤務医・代診医の派遣にも取り組んでおり、年間延べ1,813日(2023年度実績)に及びます。
地域医療の要「総合医」の養成
医師不足とともに、今、課題となっているのは総合医の養成です。近年、医学・医療は急速に進歩し、日本の医学教育は専門医療教育に重きがおかれてきました。しかし、医師の不足している地域では、一つの専門的な知識技能よりも総合的な対応能力が求められます。
これからの日本の医療に必要なのは、専門医とともにその両輪となる総合医です。総合医とは、普通の風邪を診たり、慢性疾患を継続的に管理したり、患者さんの複数の健康問題を横断的に診る医師のことを言います。また「1時間前から頭痛がする」「急にお腹が痛くなった」など、まだ診断のついていない段階に対応し、必要なら適切な専門医を紹介します。総合医には、地域ニーズに応え、求められる役割に応じて協調、変容でき、あらゆる問題に対応できる能力が必要になります。
地域医療振興協会では、研修事業に取り組み、地域医療を担う総合医の育成を行っています。
地域医療振興協会が行う3つの事業
施設運営事業
今、医療崩壊が社会問題となっているように、医師不足、あるいは診療科の偏在によって、地域医療の確保が厳しいという地方自治体が少なくありません。
地域医療振興協会では、「いついかなる時でも医療を受けられる安心を、すべての地域の方々にお届けしたい」という信念のもと、自治体から指定管理者としての指定を受け、病院並びに診療所、保健医療福祉複合施設、看護専門学校などの運営を行っています。
CMEDマーク
地域医療振興協会の運営施設には、CMEDマークがつけられています。
ぜひみなさんの身近のCMEDマークを探してみてください。
医師派遣・診療支援事業
医療資源は都市部に集中しており、山間、離島といったいわゆるへき地では、日常の医療を担う医師にも恵まれない地域が、依然として多数存在するのが現状です。地域医療振興協会運営施設からの医師派遣・代診医派遣によるへき地支援は、年間延べ1,813日。みんなで地域医療を支えています。
広く公募して医師に登録を行っていただき、医師不足が深刻な地域に緊急臨時的に医師を派遣する事業も行っています。
医師研修事業
地域医療においては、一つの専門的な知識技能をもつ専門医よりも、地域ニーズに応え、求められる役割に応じて協調、変容でき、あらゆる問題に対応できる総合医の役割が重要です。
地域医療振興協会では、他には類のない特色あるプログラムを用意し、地域医療を担う総合医の育成に取り組んでいます。
初期研修には、へき地医療に対する理解を深めるため3ヵ月の地域研修を取り入れ、また、専門研修としては、地域医療専門医を育成する「総合診療専門研修プログラム 地域医療のススメ」、そして各病院の専門科研修など充実した研修プログラムを整備し、当協会の全施設を活用して現場での初期研修と専門研修を行っています。
併せて、これまでのキャリアにとらわれず、へき地診療所・地域中小病院等で活躍したい医師に対し、必要となる幅広い能力を身につけるための再研修プログラムを提供しております。 研修は、個別の研修ニーズと経験を重視しながら面談の上で個別プログラムを設定し、適宜フォローを行いながら組み立てていきます。